世界経済の成熟とバブルとの関係について考えてみる

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大きな流れとして、世界経済全体が成熟していく中で、成長分野のパイが小さくなっていっている。

 

BRICSは大きな成長分野と見られていたが、それでも積もり積もった先進国の内部留保を飲み込みきれるほどの規模を有していなかった。内需が不足している状態でマネーが流れ込んでしまったため、やっぱりバブルが弾けた。アジア通貨危機の教訓を得て、段階的な自由化を試行してきた中国ですらそうだった。

 

成長分野のパイが小さくなっているということは、企業が設備投資の手を控えるということだ。事実、流らく資金不足主体であった企業が、90年代から余剰主体に変わった。その結果企業にキャッシュが積もり積もった。

 

それが賃金として還元されて、消費が刺激されればよかったのだが、労働分配率は一向に上がらず、企業は内部留保を溜め続けた。だから自発的な内需(消費)が拡大せず、余ったマネーは行き場を失い、金融市場になだれ込んだ。これが世界的な金融バブルの一端を形成したのではないだろうか。 

 

「成長分野がなくなれば、減益となるのでコストカットで対応する(=労働分配率が上がらない)」というのは、1企業の行動としてみれば、合理的判断となるが、マクロ経済全体で見たら、GDP最大のけん引役である内需(消費)を減少させるという誤謬を生んでしまう。

 

だから、この環境下での「賃上げ」は政府の強制力がないと出来ない。なぜなら、減益環境下での賃上げは株主価値を一時的に毀損させるからだ。

 

しかし、「賃上げ」が持続的な消費拡大を生み出すのであれば、中長期的には消費の波及効果で企業収益にも好環境をもたらし、株主価値も上がる。

 

戦争で破壊ビジネスをやって無理やり需要を創出させるよりも、そっちの方がよっぽど環境にも平和にも優しい景気対策になるのではないかという気もしてくる。



 

ただ、その場合、問題は「賃上げ」に対する労働者のリアクションだ。最終的には月並みだが、「将来に対する不安」を取り除く必要がある。では、将来に対する不安を取り除くためにはどうしたらいいのだろうか。

 

制度的には「『年金・雇用・医療』に対する安心」ということになるのだろうが、その根源となるのは、「人と人との絆の再生」すなわち「コミュニティの再生」ということに尽きると思う。

 

人間は弱い生き物だ。弱い人間が「一人ぼっち」だと「気」が弱まる。ストレス耐性も弱くなる。でも、仲間と協力し合えれば、一人でいるより「気」が強くなる。ストレス耐性も強くなる。仲間がいるということが「安心感」を生む。



 

他人のことに関心を持ち、他人との関わりを増やし、知り合いを増やせば、争いごとも減る。助け合いの精神も生まれる。助け合いの精神が生まれれば、「無駄遣い」も減る。資源の効率活用にもつながり(規模の経済)、持続可能な経済をもたらす。「資本の論理」の次のパラダイムはこれではないだろうか。

 

これこそが、「安心感」をもたらす根源だと思う。崩壊してしまった「コミュニティ」の再生こそが、長い目で見た最大の経済対策だと思う。

 

【参考】私たちが本当に失ったものは何なのか

http://keyboo.at.webry.info/200802/article_10.html

 

 



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