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金融機関への公的関与を強めると思われていたオバマ政権。当然「バッドバンク」構想にも「公的資金」が出てくるものと思われていたのだが、今日の前場に出たこのサマーズの発言には正直耳を疑った。
【参考】オバマ政権の銀行救済策、民間資本に期待する内容へ-サマーズ委員長(Bloomberg)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003009&sid=a9ZZIHezBEj8&refer=jp_top_world_news
サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は8日、オバマ政権の金融安定化策について、銀行のバランスシートを悪化させている不良資産の切り離しに役立つよう民間資本の呼び込みを目指すものになると述べた。
サマーズ氏はテレビ番組「フォックス・ニュース・サンデー」で、政府保証と金融安定化策を提示することにより、危機収拾に役立つ「民間からの投資を呼び込み、活性化できる」との認識を示した。ガイトナー米財務長官はこの日、金融安定化策の発表を当初予定より1日延期し10日に行うとした。
米財務省は発表延期によってオバマ政権は景気対策法案の議会通過に注力できると説明する一方で、当局は依然、銀行救済策の最終的な詳細策定で協議している。協議に詳しい複数の関係者によると、金融機関の非流動的資産を買い取るバッドバンクと同種の組織創設に向けて民間投資を活用する案が一つの選択肢として浮上しているという。
サマーズ氏は「ガイトナー長官はかなりの民間資本を呼び込めると信じており、その点はわれわれ全員が合意できると思われるところだ」と述べ、「民間資本を活性化できれば、政府の資源よりもこの問題を解決する良い手段だ」との認識を示した。
【参考】金融機関への公的資金「普通株取得の形で」...米下院議長(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090126-OYT1T00490.htm
ペロシ米下院議長は25日、ABCテレビの番組に出演し、金融機関への公的資金注入に関して、「経営が立ち直れば、納税者も利益を得るべきだ」と指摘し、普通株を取得する形で注入すべきだとの考えを示した。
ペロシ議長はまた、金融安定化法に基づく7000億ドル(約63兆円)の公的資金枠の拡大について、「大統領から要請があれば、受け入れる構えがある」と述べ、資金枠を積み増す可能性を示唆した。
公的資金の注入を巡っては、米政府はこれまで、金融機関から議決権のない優先株を引き受ける形で行ってきた。ペロシ議長は、政府が普通株を取得すれば、将来の株価上昇に伴う売却益などで、国民に多くの恩恵が及ぶと主張した。政府が経営に強く関与する形になることには、「経営権を握るつもりはなく、国有化ではない」と強調した。
しかし、そのお上からの関与に、当の金融機関は猛烈な拒否反応を示した。
お上からお恵み(公的資金)をもらっておきながら今更ダダをこねるなんて、オバマはどうかわからないが、国民からしてみたら尋常な姿には見えなかった。
【参考】米金融機関、政府の経営関与警戒 公的資金、早期返済も(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090209AT2M0701007022009.html
米金融界で、政府の経営関与を警戒する声が強まっている。公的資金を受けた金融機関の報酬制限が強化され、優秀な人材を集めにくくなるなど、経営の自由度がそがれているためだ。複数の金融機関が公的資金の早期返済を唱え出した。高額報酬への国民の批判は根強く、関係者は融資増加の義務付けなど「管理強化」につながる可能性を危ぶんでいる。
それもそのはず。
金融機関に入れられた公的資金は、彼らに請われたものではなく、政府からの「強制注入」だったからだ。だから「破格の好条件」になったのだ。
【参考】米、公的資金をまず大手9行に注入 年内、全体で25兆円(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081015AT2M1404714102008.html
ブッシュ米大統領は14日、金融機関への資本注入を柱とする総合的な金融安定化策を発表した。金融安定化法に基づく最大7000億ドル(約70兆円)の公的資金のうち2500億ドル(約25兆円)を資本注入に使う方針で、JPモルガン・チェースなど大手9行に1250億ドルを先行注入する。
【参考】米の公的資金注入、金融機関に破格の好条件(日経)
http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20081015D2M1500V15.html
米政府が金融機関に注入する公的資金は、金融機関にとって破格の好条件となる。米政府が買い取る優先株の配当利回りは5%で、三菱UFJフィナンシャル・グループがモルガン・スタンレーに出資した優先株の利回り10%に比べ半分の水準。金融システム不安払拭(ふっしょく)に向けて米金融機関の受け入れを促すため、政府が大幅に譲歩した形だ。
入れられた方からしてみれば、「頼みもしないのに勝手に公的資金入れられるわ、色々いちゃもんつけられるわ、何で給料にまで口出されあかんねん!」という気分なのだろう。
しかし、入れてる方(国民)からしてみれば、「おれたちの血税入れてやってるのに、なんて自分勝手で我儘な奴らなんだ!」という姿に映る。この認識ギャップにオバマは立ち向かわないといけない。
【参考】揺れるオバマ政権 納税漏れと業界癒着でダシュル氏辞退(朝日)
http://www.asahi.com/international/update/0204/TKY200902040329.html?ref=rss
オバマ米大統領が厚生長官に指名したトム・ダシュル元民主党上院院内総務(61)が3日に指名を辞退し、オバマ氏には大きな打撃となった。「ワシントン政治の変革」という理想を掲げたが、足元から「納税漏れ」「業界との癒着」が噴出、早くも政権を揺さぶり始めている。
米国の政権は「発足から100日で評価が決まる」といわれているが、あれだけ熱狂的に迎えられたオバマ政権も、閣僚指名問題でスキャンダルが相次ぎ、早くも失速しかけている。
熱狂的に迎えられただけに、反動が来たら恐ろしい。ここは、国民に「わかりやすい」成果を出しておかないといけない。そうなると、どうしても「世論」を意識せざるを得なくなる。
今の米国の世論はウォール街に「NO」を突きつけている。発足から「思わぬ」つまずきを見せているオバマ政権は、この「世論」を無視するわけにはいかなくなった。
見方を変えれば、そんな「拒否反応」ができる金融機関にはまだ「余裕」があるのだ。マクロ的には膨大な損失処理が必要なはずなのに、金融機
関はまだ「ダメージ」を感じ足りないのだ。GMのようにお上に泣きつかせないといけないのだ。
本当はそんなことをしたくないのかもしれないが、そこまでし ないと「世論」は納得しないのだろう。GMやシティはそんな抵抗をしなかった。彼らはお上にすがらないと生きていけない体になってしまっていたからだ。
ハードランディングさせようとすると、経済がガタガタになるが、ソフトランディングは「国民の理解」を得るのが難しい。「100日」まで時間のないオバマは今は後者の選択が取れない可能性が高いと考えたのではないだろうか。オバマからしてみれば、「抵抗するにも、もう少し空気読んでくれよ」といったところなのかもしれない。
つまり、「バッドバンク」はおろか、「不良債権処理は民間で勝手にやってくれ」というびっくり仰天のサマーズ発言が出たのには、こうした背景がある
のではないだろうか。
発足当初から思わぬつまずきを見せたオバマ政権は、「世論」を見方につけるために「はしご」を外さざるを得なくなったのだ。「バッドバンク」への期待からここもと相場は戻り基調を示していたが、この筋書きが正しければ、もう一回クラッシュが来るのではないだろうか。
「100年の一度の『大恐慌』」と騒ぐ割には、米国の株価は「半値」にすらなっていない。この辺にも埋めないといけない「ギャップ」があるような気がする。。。

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